鉄道模型のメーカーをいろいろな観点から比較!

鉄道模型には、縮尺や軌間によって規格が分かれています。そして、各規格の模型に互換性はありません。鉄道模型の主な規格はO・HO・N・Zとなっていて、日本で最もシェアが大きい規格はNです。ちなみに、欧米で普及しているのはHOとなっています。

そこで今回は、日本で鉄道模型を製造している主要メーカーをいろいろな観点から比較します。

日本には60くらいの鉄道模型事業者がある

日本の鉄道模型規格は、Nが最も多くシェアは市場の約80%もあります。

NはNゲージとも呼ばれ、150分の1スケールの鉄道模型のことです。参照元:鉄道模型 買取 - 買取コレクター

次の多いのは80分の1スケールのHOゲージで、約20%ほどです。市場の中にはメーカーだけではなく、個人事業者や愛好家サークルなども含め60くらいの事業者がいるとされています。その中でも、主要となるメーカーは関水金属・トミーテック・マイクロエースで、この3社が市場の80%を占めています。

関水金属は「KATO」というブランド、トミーテックは「TOMIX」や「ジオコレ」、マイクロエースは社名の通り「マイクロエース」ブランドとして知られています。他にも、「GREENMAX」というブランドも存在します。

Nゲージを製作しているメーカーは各種材料を調達し、自社で金型を成型、塗装やモーター・金属部品の取り付けなどして製品を製造しています。材料はプラスチックや真鍮、金属部品や超小型直流モーターなどです。金型は、プラスチックや真鍮などで出来ています。

完成した製品は卸売業者から小売業者にわたり、消費者の元に届きます。他にも、関水金属・トミーテック・グリーンマックスは直販店において直接販売もしています。

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地域・人口ごとのシェアはどうなっているのか?

都道府県ごとの店舗数からシェアを見てみると、店舗数が最も多いのは主要3社とも東京都となっています。その数は関水金属で89店、トミーテックで81店、マイクロエースで76店となります。次に多いのは、大阪府でトミーテックが63店、関水金属が60店、マイクロエースが57店となっているので、どのメーカーも東京と大阪に店舗が多いのですが関水金属とトミーテックの店舗数は拮抗していることがわかります。

逆に、3社の販売店が1件も無いのは沖縄県という結果になりました。沖縄県に販売店が無いのはおそらくモノレール以外の鉄道が無いので、鉄道自体に馴染みが無いためと考えられます。また、人口10万人あたりの販売店数を比較すると、トミーテックが0.545店、関水金属が0.492店、マイクロエースが0.465店となっています。

さらに、主要3社の販売店数は西日本が多くなっていて、国内で10万人あたりの店舗数が最も多い京都府では関水金属とマイクロエースが国内で最も多く店舗を出店していました。京都以外では、和歌山・島根・鳥取・岐阜の店舗数が多くなっています。

主要3社の価格の違いは?

主要3社の価格帯を、車両セットの価格で比較します。車両セットとは先頭車両や特徴的な車両を選ぶことで車両数を減らして1編成を作り、コンパクトに同梱したセットのことです。車両セットで比較する理由は、主要3社がいずれも車両セットを作っていて年間の新製品数も多いので比べやすいからです。

主要3社の車両セットの平均価格帯を比べてみると、「マイクロエース」と比べて「TOMIX」や「KATO」の方が安いことがわかりました。逆に各ブランドの価格帯の集中度は、「マイクロエース」が分散されているのに対して「TOMIX」と「KATO」は集中しています。

また、各ブランドの平均価格を比較すると「マイクロエース」・「KATO」・「TOMIX」の順に安くなっています。

3ブランドの電気機関車模型製品のバリエーションから見る違いは?

電気機関車模型製品は、実際のEF81形電気機関車が多くのバリエーションがあるのでそれに合わせて製品を作っています。また、電気機関車模型製品も主要3社はいずれも製造しています。そして、電気機関車模型は販売単位や搭載しているモーターなどの観点から他の製品と比べてコストが類似している可能性があるので、価格設定で差がある場合に戦略を比較しやすいです。

さらに、電気機関車は模型のモデルとなる実際の鉄道車両が限られるため、模型を製造する場合に選択する車種を比較しやすいという面もあります。「KATO」・「TOMIX」・「マイクロエース」の電気機関車模型製品のバリエーションを見てみると、車種によってブランドごとに投入している製品が違っています。

EF65やEF64などは3ブランドを合わせると30以上の製品バリエーションがあるのに対して、ED92やEF30などは3ブランドを合わせても1バリエーションしか投入されていません。このように3ブランドの製品バリエーションが集中していることから、競合製品が多いことがわかります。

そして、車種によって競合製品の数は大きく異なっています。その他に、市場に投入されている車種数をブランドごとに見てみると、「マイクロエース」が46車種・「KATO」が32車種・「TOMIX」が16車種と、「マイクロエース」の車種数が最も多くなっています。

その中でも、ブランドごとに競合製品がある車種を投入している割合を比べます。すると、「TOMIX」は競合製品が3つ以上ある車種が全製品の70.6%を占めているので、競合製品が3つ未満の車種は29.4%しかないことがわかりました。

これは、「TOMIX」はライバルブランドが市場に投入している車種を集中的に製品化しているということです。「KATO」については、競合製品が3つ以上ある車種の割合が全体の62.5%なので、競合製品が3つ未満の車種が37.5%もありました。

つまり、「KATO」は競合製品の多い車種と少ない車種のどちらも投入しようという方針が感じられます。「マイクロエース」は逆に競合製品が3つ以上ある車種が全体の19.6%しかなく、競合製品が3つ未満の車種が全体の80.4%を占めるという結果になりました。

要するに、競合製品がなかったり少ない車種を狙って製品を投入していることがわかります。

主要3社の特徴とは?

Nゲージを製造している主要3社は、それぞれ異なった戦略で製品を製造・販売しています。まず、「TOMIX」は競合製品が多い車種に集中して製品を投入し、さらに主要3社の中で平均価格を最も安くすることで差別化をして、消費者に製品を選んでもらおうとしています。

次に、「マイクロエース」については他の2社と比べると高価格帯の製品を投入していますが、競合製品が少ない車種を集中して市場に投入しているため、そのようなニッチな車種を独占することで他社との差別化をしています。

そして、「KATO」は競合製品が多い車種も少ない車種もどちらにも製品を投入し、「TOMIX」と同じ6000円台の価格帯を中心に展開をしています。しかし「TOMIX」よりも価格は高いので価格面においての優位性はなく、市場に投入している車種数でも「マイクロエース」と比べると少ない状況です。

つまり、「KATO」は価格・車種数の双方で差別化が出来ていないということになります。これでは中途半端でどっちつかずの状況であるため、経営戦略的に今後苦戦を強いられる可能性があります。

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